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絵画
熊野権現影向図 (国指定重要文化財)
大きさ:縦 114.0 横 51.5
年代:鎌倉時代(元徳元年 1329)
解説:熊野信仰の厚かった奥州の一老女と一行四人が那智浜の宮で、紫雲虚空の中に湧現した本宮証誠殿の阿弥陀如来(熊野権現)を拝む様を描いたものである。
これは、影向する神の姿が仏教像であるという異色の垂迹(すいじゃく)画で、山越阿弥陀図の図様と類似が見られるのは、当時の熊野信仰に対して阿弥陀浄土の強い影響があったことを物語っている。
この制作年代は、上部に記された円覚寺住持南山士雲の賛から元徳元年(1329)とされる。
袋中筆ニ祖対面図
大きさ:縦 43.4 横 26.2
年代:江戸時代初期
解説:袋中(たいちゅう)上人は好んでこのような二祖対面図を書かれた。当山にはこの他に二幅を所蔵している。
この図は、右に中国浄土教の祖善導大師を、左やや下方に法然上人を描き、上部に善導大師の第十八願の釈文を書写し、中央下部に袋中上人の署名と花押がみられる。
裏書には「この一幅は良定(袋中)上人の玉筆である」と、八世東暉(とうき)上人の記載がある。(慶安元年 1648)
當麻曼陀羅図
大きさ:縦 349.7 横 335.4
時代:江戸時代初期(寛文11年 1671)
解説:この図は八世東暉上人が、袋中上人の33年御遠忌にあわせ、南都(奈良)絵師の竹坊正俊に作らせたもの。
大きさは四方3.5m弱と4.0mある当麻寺蔵の當麻曼陀羅原本からするとやや小さめであるが、色彩の残りも鮮やかで迫力のあるものとなっている。
特に中心の三尊に対して周囲の菩薩が寄り添う姿は、三尊の姿をより浮き上がらせ、緻密に計算された構図をとっている。
なお当山には袋中将来の「清海曼陀羅図」「智光曼陀羅図」も所蔵しており、本図とあわせ浄土三曼陀羅が揃っている。
なお智光曼陀羅図は奈良女子大学の協力によって、非常に詳細な画像が撮影されていて、奈良地域関連資料画像データベースにおいて公開されております。
八相涅槃図
大きさ:縦 249.8 横 250.5
時代:江戸時代初期(寛永3年 1626)
解説:袋中上人が寛永3年に、奈良絵師の竹坊藤兵衛に描かせ二世團王(だんのう)上人に寄進されたものであることが裏書によってわかっている。
「八相涅槃図」とは釈尊入滅の一場面を描いた涅槃図に、入滅前後の八つの場面を加えたもので、涅槃にまつわる出来事を詳細に伝える。
本図は一辺2mを超える大きな図で、毎年2月15日の涅槃会に本堂に掲げられ、法要が営まれている。
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