賛文和訳
扶桑の師(袋中上人)は堅固にして、徳風つとに世に国を越えて自由自在に顕れます。
万里を超えて琉球の港に着き、自覚覚他、佛と法とを念ずることを以ってされ、ついにその證を得られたので御座います。
上人のその行動と法への通暁にはただ瞻仰(せんぎょう−あおぎ見る、敬い慕う)申し上げる他ありません。
水鳥や樹木、大自然のすべてが仏法を説いている、とは即ち自然には悟りがあるという師の教えを指し、また浄土の世界は遠からずという師の旨を指すのであります。
そして、ただ一向に念ずれば直ちに至ることができ、二六時中に大師(浄土)は来現すると説かれました。
師に教えを請うたことは決して少なくはありません。我々は師を御護りし、師は法の為に尽くされました。
私は法を護りて師を奉るために、師の像を描きました。
師が桂林寺を御創りになられて以来我が師と仰いでおります。
西方浄土への導きを扶助と申し上げ、功徳と申し上げ、この徳を瞻仰することを仏に誓います。
大地は荒れ果てても、二因一在を守り、智恵の眼を見開き正しき行いを守っていれば、身心は清浄でありこれは即ち西方浄土に通ずるものなのであります。
辛亥春三月 琉球国王尚寧図併題 贈袋中上人座下」
賛文訳 藤堂恭俊博士